『アンナチュラル』は、2018年1月12日から3月16日までTBSテレビで放送された日本のテレビドラマです。脚本は野木亜紀子が手掛け、主演は石原さとみが務めました。このドラマは、不自然死究明研究所(UDIラボ)を舞台に、法医解剖医たちが不自然な死の真相を解明していく法医学ミステリーです。UDIラボのメンバーが協力し合い、毎回異なる事件を解決しながら、彼ら自身の過去や秘密も明らかになっていきます。
登場人物(キャスト)
• 三澄ミコト(みすみ みこと) – 石原さとみ
• 主人公。UDIラボの法医解剖医で、「三澄班」の執刀医。過去に一家心中事件の生き残りという重い過去を持つ。
• 中堂系(なかどう けい) – 井浦新
• UDIラボの法医解剖医で、「中堂班」の執刀医。恋人を殺された過去を持ち、その事件の真相を追い続けている。
• 久部六郎(くべ ろくろう) – 窪田正孝
• UDIラボのアルバイト記録員。医大生でありながら、UDIラボでの仕事を通じて成長していく。
• 東海林夕子(しょうじ ゆうこ) – 市川実日子
• UDIラボの臨床検査技師。明るくムードメーカー的存在。
• 神倉保夫(かみくら やすお) – 松重豊
• UDIラボの所長。メンバーを温かく見守る存在。
• 三澄夏代(みすみ なつよ) – 薬師丸ひろ子
• ミコトの母で弁護士。娘を支える存在。
ストーリー展開
序盤
物語は、UDIラボの設立背景とメンバーの紹介から始まります。UDIラボは、日本における不自然死(アンナチュラル・デス)の解明を目的とした研究機関で、年間約400体の遺体を解剖しています。主人公の三澄ミコトは、法医解剖医としてこのラボに所属し、様々な事件の解明に挑みます。
第1話では、虚血性心疾患と診断された男性の死因を調査する中で、実は毒物による死であることが判明します。さらに、彼がサウジアラビアから持ち帰った危険ウイルスが原因であることが明らかになり、病院の隠蔽工作が暴かれます。
第2話では、練炭による一家心中事件が取り上げられます。ミコト自身も過去に一家心中事件の生き残りであり、この事件を通じて彼女の過去が少しずつ明らかになります。
中盤
中盤では、UDIラボのメンバーそれぞれの背景や人間関係が深掘りされます。第3話では、人気主婦ブロガーの妻を殺した罪に問われた夫の裁判が描かれ、ミコトが法廷で証言するシーンが見どころです。彼女は凶器と傷口の矛盾を指摘し、真犯人を明らかにします。
第4話では、過労死と見られるバイク事故の真相を解明します。解剖の結果、死因はくも膜下出血と外傷性椎骨動脈かい離であり、過労による事故が原因であることが判明します。
第5話では、海で発見された若い女性の溺死体の調査が行われます。ミコトたちは、女性が自殺ではなく他殺であることを見抜き、真相を解明します。
終盤
終盤では、中堂系の恋人が殺された「赤い金魚事件」の真相に迫ります。第8話から第9話にかけて、雑居ビルの火災で発見された遺体の調査を通じて、連続殺人事件の犯人が浮かび上がります。
最終話では、犯人である高瀬が警察に出頭しますが、殺人の証拠がないため、遺体損壊のみを認めます。ミコトたちは、高瀬を殺人罪で裁くために奔走し、最終的に新たな証拠を見つけ出します。法廷での対決では、ミコトが高瀬を挑発し、彼が犯行を自供することで事件は解決します。
結末
最終的に、UDIラボのメンバーはそれぞれの過去と向き合いながらも、チームとしての絆を深めます。中堂は恋人の復讐を果たし、ミコトは法医学者としての使命を全うします。六郎もUDIラボでの仕事を通じて成長し、再びチームに戻ります。
感想
『アンナチュラル』は、法医学をテーマにしたミステリードラマとして非常に完成度が高く、各エピソードが緻密に構成されています。キャストの演技も素晴らしく、特に石原さとみの繊細な演技が光ります。法医学の知識を駆使して事件を解明する過程はスリリングでありながらも、登場人物たちの人間ドラマがしっかりと描かれている点が魅力です。全体を通して、法医学の重要性や命の尊さを考えさせられる作品でした。