『アンフェア the movie』は、2007年3月17日に公開された日本映画で、監督は小林義則、脚本は佐藤嗣麻子が手掛けました。この作品は、2006年に放送されたテレビドラマ『アンフェア』の劇場版第1作目であり、続編として2011年に『アンフェア the answer』、2015年に『アンフェア the end』が公開されました。主演は篠原涼子で、彼女が演じる敏腕女性刑事・雪平夏見が、警察内部の不正やテロリストとの戦いに挑む姿を描いています。
登場人物(キャスト)
- 雪平 夏見(ゆきひら なつみ) – 篠原涼子
- 警視庁公安部総務課主任 警部補。元警視庁刑事部捜査一課主任。検挙率ナンバーワンの敏腕刑事。
- 斉木 陣(さいき じん) – 江口洋介
- 警視庁公安部総務課管理官 警視。雪平の上司であり、冷静沈着な捜査手腕を持つ。
- 後藤 国明(ごとう くにあき) – 椎名桔平
- テロリスト集団のリーダー。元SATの指揮官で、警察に強い恨みを持つ。
- 戸田(とだ) – 成宮寛貴
- テロリスト集団の若手メンバー。後藤を崇拝している。
- 小久保 祐二(こくぼ ゆうじ) – 阿部サダヲ
- 警視庁捜査一課管理官。出世欲が強く、雪平を苦々しく思っている。
- 蓮見 杏奈(はすみ あんな) – 濱田マリ
- 元警視庁捜査一課情報解析係。テロリストの一員。
- 三上 薫(みかみ かおる) – 加藤雅也
- 警視庁刑事部鑑識課検視官 警視。雪平の良き相棒。
- 山路 哲夫(やまじ てつお) – 寺島進
- 元・警視庁捜査一課管理官で、現在は所轄の刑事。雪平の元上司。
- 雪平 美央(ゆきひら みお) – 向井地美音
- 雪平の娘。テロリストに人質として捕らわれる。
ストーリー展開
序盤
物語は、雪平夏見の娘・美央が学校に向かう途中、車の爆発に巻き込まれるシーンから始まります。美央は重傷を負い、警察病院に搬送されます。雪平は、娘を守るために刑事を辞めることを考え始めますが、そんな中、病院がテロリスト集団に占拠される事件が発生します。テロリストのリーダーである後藤国明は、警察庁が不正に手に入れた裏金80億円を要求し、警察庁長官を人質に取ります。
中盤
雪平は、娘を救うために単身で病院に潜入します。彼女は、テロリストたちと対峙しながら、病院内での戦いを繰り広げます。斉木陣や三上薫の協力を得て、雪平は次第にテロリストの計画を暴いていきます。しかし、後藤は病院内部から殺人ウイルスの病原菌を奪い、東京都内全土にばら撒くという恐るべきバイオテロ計画を予告します。美央もこのウイルスに感染してしまい、雪平は抗血清を手に入れるために奔走します。
終盤
雪平は、斉木と共にテロリストの計画を阻止し、抗血清を手に入れることに成功します。しかし、後藤は斉木の裏切りにより銃撃され、データを奪われます。斉木は、警察内部の不正を暴露するために動いていたことが明らかになりますが、彼もまた何者かに狙撃されてしまいます。斉木は死の間際に、雪平に機密データ入りのUSBメモリを託します。
結末
事件が終息した後、雪平は斉木の死の現場に向かい、彼の最期に見た景色を目に映します。斉木の行動に対して複雑な感情を抱きながらも、雪平は娘の命を救うことができたことに安堵します。物語は、雪平が再び警察の不正と戦う決意を新たにするシーンで幕を閉じます。
感想
『アンフェア the movie』は、緊迫感あふれるサスペンスとアクションが見どころの作品です。篠原涼子演じる雪平夏見の強さと母親としての愛情が描かれており、観る者を引き込む力があります。警察内部の不正やテロリストとの戦いを通じて、正義とは何かを問いかける深いテーマが印象的です。全体を通して、ハラハラドキドキの展開が続き、最後まで目が離せない作品となっています。