『MIU404』は、2020年にTBS系列で放送された刑事ドラマです。脚本は野木亜紀子が手掛け、主演は綾野剛と星野源が務めました。物語は、警視庁機動捜査隊(MIU)の第4機動捜査隊(通称「4機捜」)を舞台に、対照的な性格の二人の刑事が様々な事件に挑む姿を描いています。ドラマは一話完結型でありながら、全体を通して一貫したストーリーラインが存在し、社会問題や人間ドラマが巧みに織り交ぜられています。
登場人物(キャスト)
• 伊吹藍(綾野剛):第4機動捜査隊の隊員。直感と行動力を武器にするが、常識に欠ける一面もある。
• 志摩一未(星野源):第4機動捜査隊の隊員。冷静沈着で理性的だが、他人を信用しない。
• 九重世人(岡田健史):第4機動捜査隊の新人隊員。警察庁幹部の父を持つキャリア組。
• 陣馬耕平(橋本じゅん):第4機動捜査隊のベテラン隊員。九重のバディ。
• 桔梗ゆづる(麻生久美子):第4機動捜査隊の隊長。女性初の機動捜査隊隊長。
• 久住(菅田将暉):裏社会の青年。違法ドラッグ「ドーナツEP」の売人。
• 羽野麦(黒川智花):違法カジノ事件の証人。桔梗に保護されている。
• 特派員REC(渡邊圭祐):裏社会の情報屋。久住と関わりがある。
ストーリー展開
序盤
物語は、警視庁の働き方改革の一環として新設された第4機動捜査隊(4機捜)の設立から始まります。志摩一未は、旧知のベテラン刑事・陣馬耕平とバディを組む予定でしたが、上層部の意向でキャリア組の新人・九重世人が急遽4機捜の隊員となり、志摩は破天荒な伊吹藍とバディを組むことになります。
伊吹は、警察官としての常識に欠ける一方で、直感と行動力に優れ、志摩とは対照的な性格です。二人は初めてのパトロールで、あおり運転や傷害事件に遭遇し、伊吹の直感と行動力が事件解決に役立つことが証明されます。
中盤
4機捜は、様々な事件に挑む中で、次第にチームとしての絆を深めていきます。伊吹と志摩は、虐待トラウマを持つ殺人容疑者や外国人労働問題など、社会問題を背景に持つ事件に直面します。特に、違法ドラッグ「ドーナツEP」を巡る事件では、裏社会の青年・久住が関与していることが明らかになります。
久住は、違法ドラッグの売人として活動しており、4機捜は彼を追い詰めるために奔走します。久住の背後には、違法カジノ事件で逃亡中のエトリという男が存在し、彼の捕縛が物語の大きな目標となります。
終盤
物語の終盤では、久住とエトリの関係が明らかになり、4機捜は彼らを追い詰めるために全力を尽くします。久住は、社会に対する虚無的な思想を持ち、フェイクニュースを拡散して社会を混乱に陥れます。志摩は、久住の居場所を突き止めるために単独行動を取りますが、伊吹が先回りして久住に接触します。
久住は、ドラッグの充満する船室に伊吹と志摩を監禁し、二人はドラッグによる悪夢に苦しめられます。しかし、陣馬が意識を回復し、九重がその知らせを送ったことで二人は悪夢から目覚め、船から脱出します。桔梗の指揮の下、4機捜は久住を追い詰め、最終的に彼を逮捕することに成功します。
結末
事件が解決し、久住が逮捕されたことで、4機捜は一連の事件に終止符を打ちます。志摩と伊吹は、バディとしての絆を再確認し、引き続き4機捜での任務を続けることを決意します。物語は、新型コロナウイルス感染症の影響で延期された東京オリンピックの夏、マスクを着けた伊吹と志摩がパトロールを続けるシーンで幕を閉じます。
感想
『MIU404』は、緊張感あふれるストーリー展開と、登場人物たちの複雑な人間関係が魅力の作品です。特に、伊吹と志摩の対照的な性格が物語に深みを与え、視聴者を引き込む力があります。また、社会問題を背景に持つ事件が多く取り上げられており、単なる刑事ドラマにとどまらない深みがあります。綾野剛と星野源の演技も素晴らしく、彼らが演じるキャラクターに感情移入しやすい点も魅力の一つです。全体として、見応えのある作品であり、多くの人におすすめできるドラマです。