「アンフェア」は、2006年にフジテレビ系列で放送された日本の刑事ドラマです。原作は秦建日子の小説『推理小説』で、主演は篠原涼子が務めました。ドラマは全11話で構成され、その後もスペシャルドラマや映画が制作されるなど、シリーズ化されました。物語は、警視庁の検挙率No.1の女性刑事・雪平夏見が、父親の死の真相を追いながら数々の難事件に立ち向かう姿を描いています。
登場人物(キャスト)
• 雪平夏見(篠原涼子): 主人公。警視庁の検挙率No.1の女性刑事。
• 安藤一之(瑛太): 雪平の相棒となる新米刑事。
• 小久保祐二(阿部サダヲ): 雪平の同僚刑事。
• 蓮見杏奈(濱田マリ): 雪平の娘の面倒を見ていた女性。
• 三上薫(加藤雅也): 雪平の上司。
• 久留米隆一郎(井上順): 雪平の同僚刑事。
• 牧村紀世子(木村多江): 雪平の娘の面倒を見ていた女性。
• 山路哲夫(寺島進): 雪平の同僚刑事。
• 佐藤和夫(香川照之): 雪平の元夫。
• 瀬崎一郎(西島秀俊): 岩崎書房の編集者。
ストーリー展開
序盤
物語は、雪平夏見が未成年者を射殺した過去の事件から始まります。この事件により、彼女はマスコミからのバッシングを受け、夫の佐藤和夫と離婚し、娘の美央は声が出せなくなり、佐藤に引き取られて離れて暮らしています。そんな中、新米刑事の安藤一之が雪平の相棒として配属されます。
ある日、警察とマスコミに「推理小説予告型殺人事件」の予告が届きます。小説に書かれている通りに殺人が起こり、現場には「アンフェアなのは誰か」というメッセージが残されています。雪平と安藤は、この事件の解決に向けて動き出します。
中盤
推理小説予告型殺人事件の犯人が特定され、安堵したのも束の間、雪平の娘・美央が誘拐されます。犯人は全国民から10円ずつ募り、総額12億円の身代金を要求します。この「募金型誘拐事件」の背後には、牧村紀世子と蓮見杏奈が関与していました。牧村は2年前に夫と娘をひき逃げされ、その犯人が代議士の力で事件をもみ消されたことに復讐しようとしていたのです。
雪平は牧村を止めようとしますが、牧村は誰かに撃たれてしまいます。さらに、これまでの事件の関係者が次々と殺される「×マーク連続殺人事件」が発生します。手のひらに「×」のマークをつけられた被害者たちの背後には、雪平の元夫・佐藤和夫が関与していると疑われます。
終盤
雪平は佐藤を撃ち、真犯人が現れるのを待ちます。すると、現れたのは安藤一之でした。安藤は、かつての未成年射殺事件で親友を失い、その復讐のために雪平を追い詰めようとしていたのです。安藤はパチンコ屋の店長を殺そうとしますが、雪平に撃たれて命を落とします。
その後、スペシャルドラマ「コード・ブレーキング~暗号解読」では、安藤の死後、雪平が父親の死の真相を追い続ける姿が描かれます。警察OBが次々と殺される事件の背後には、雪平が信頼していた安本が関与していました。安本はクーデターを起こすために裏金を作り、その発端は雪平の父親でした。最終的に、安本は逃げようとしますが、車ごと炎上してしまいます。
結末
映画「アンフェア the movie」では、雪平の娘・美央が乗った車が爆発し、病院がテロリストに占拠される事件が発生します。雪平は娘を救うために病院に潜入し、警察の不正を暴こうとするテロリストたちと対峙します。最終的に、テロリストのリーダー後藤は射殺されますが、実は斉木が黒幕であり、警察に復讐しようとしていたことが明らかになります。斉木は不正の証拠を持っていましたが、誰かに狙撃されて命を落とします。
映画「アンフェア the answer」では、雪平が北海道に飛ばされ、上司の一条と恋人関係になります。東京ではネイルガンによる予告殺人が発生し、雪平の元夫・佐藤が容疑者として浮上します。佐藤は雪平にUSBを渡しますが、直後に殺され、雪平も逮捕されます。真犯人は結城脩であり、雪平は彼と対決しますが、結城もまた誰かに狙撃されて命を落とします。
感想
「アンフェア」は、複雑な人間関係と緻密なストーリー展開が魅力の刑事ドラマです。主人公・雪平夏見の強さと脆さが描かれ、視聴者を引き込む力があります。特に、彼女が父親の死の真相を追い求める姿勢には感動を覚えます。また、シリーズを通して描かれる陰謀と裏切りの連続は、最後まで目が離せない展開となっています。全体として、非常に見応えのある作品です。